カテゴリ: Use Cases
ソフトウェアの配布プロセスをCodeMeterが改善
課題
一見単純そうでもイラつくほど複雑だったり、エンドユーザーに対して公正で信頼が高くても違法コピーが容易であったりと、ソフトウェアの配布は、複雑さと矛盾に満ちています。ソフトウェアの無料体験版と安全なプレミアム版の両方を提供するというタスクは、一見単純に見えますが、ソフトウェアを取り巻くステークホルダーにとっては、頭痛の種でしかありません。ISV(独立系ソフトウェアベンダー)は、2つの異なる製品セットを配布したり、配布システムを複雑にしたり、エンドユーザーに異なるバージョンを使わせたりする手間を省きたいと考えています。その解決策ははっきりしています。ソフトウェアの無料体験版を配布するのです。無料体験版には、事前に全ての機能がインストールされていますが、エンドユーザーが適切なライセンスでアクティベートしない限り、使用できないよう制限されています。これは、表面的に見れば、単純かもしれません。しかし、技術やビジネスの側面から見れば、これは非常に手間がかかる作業です。つまり、これには、高度化するソフトウェアの違法コピーからソフトウェアを保護し、CRMやERPのプロセスと完全に統合できる、堅牢なライセンシングシステムが必要なのです。
解決
エンドユーザーに過度な負担を与えない購入体験と、開発者に対して強力かつセキュアな収益源を公平に提供する配布システムという2つの要件のバランスを取ることは重要であり、このソリューションとなるのが、Wibu-Systemsの主力技術であるCodeMeterであり、新たな販売プロセスの構築に役立ちます。その新たなプロセスにおいて、エンドユーザーはまず、無料体験版またはプレミアム版に登録します。プレミアム機能をアクティベートするには、チケットが必要です。登録する際、エンドユーザーが所有するコンピューターのフィンガープリントが作成され、バックオフィスシステムへ送信されます。 エンドユーザーのチケットが、すべて存在し、正当であることが確認されると、バックオフィスシステムが安全なライセンスを返却します。これらのプロセスはすべてバックグラウンドで行われ、エンドユーザーは、通常の登録画面を表示するだけで、登録が完了します。
結果
Wibu-Systemsが提供するCodeMeter License Centralの専用登録モジュールは、ISVのCRMシステムに統合することができます。また、CodeMeter License Centralとシームレスに動作するWebDepotを介して、後から同期することで、オフライン登録も可能になります。すべての処理は、完全に暗号化されるため、詮索好きな第三者や、ベンダーに安全なチャネルを提供する責任があるWibu-Systemsからでさえも、エンドユーザーとベンダーとでやり取りされる機密データを守ることができます。設定により、現場のエンドユーザーとISVの内部データベースとの間で、顧客データの整合性を保つことが可能です。これは、まさしくエンドユーザーとベンダー双方にとってメリットがあると言ってよいでしょう。エンドユーザーは、無料体験版、プレミアム版、どちらもストレス無く利用でき、バージョンの切り替えもスムーズに行うことができます。また、ISVは、配布するライセンス数を正確に把握し、制御することが可能です。
ソリューション
Wibu-Systemsが提供するソリューションによって、あるベンダーは、1年でプレミアム会員を10倍に増やすことに成功しました。
スムーズでシームレス、そして控えめ
ISVが製品の販売および流通方法を考える際、考慮すべきは、エンドユーザーにとっての使いやすさだけではありません。ISV自身の技術やビジネスにおけるニーズを満たしているか考える必要があります。無料体験版であれば、熱心なファンを獲得することができるかもしれませんが、購入やライセンシングの複雑すぎるプロセスや、正規エンドユーザーに対する信頼の欠如により、プレミアム版への乗り換えを希望する潜在的なニーズを逃す可能性もあります。また、既存のCRMシステムと同期しつつ、顧客データの処理、販売プロセス、配布、登録、ライセンシングなどがスムーズに行えるよう、扱いにくいインターフェイスが無いソリューションであることが理想です。最後に、ソリューションは、現実世界で遭遇するであろうあらゆるシナリオに対応できる十分な柔軟性としなやかさを持っていなければなりません。例えば、プレミアム版を購入したいエンドユーザー、あるいはすでに無料体験版を利用しているエンドユーザー、オンラインで登録したいエンドユーザー、あるいはインターネットに接続できないオフライン環境での登録をせざるを得ないエンドユーザーなど、エンドユーザーごとの状況に対応する必要があります。
Wibu-SystemsのCodeMeter License Centralは、このような課題をすべて解決することができます。エンドユーザーがソフトウェアをインストールした後に起動する、特殊な登録モジュールの設計により、無料体験版かプレミアム版かに関係なく、ダイアログボックスがエンドユーザーを登録へと導きます。登録と同時に、SmartBindテクノロジーが、エンドユーザーが所有するコンピューターのフィンガープリントを作成し、ソフトウェアが動作するコンピューターはどれか識別できるようにします。但し、ISVが事前に設定できるシステムの変更に関して、ある程度許容度をもっています。登録データとフィンガープリントは、ISVに返送される前に暗号化され、そこで、無料体験版用のデモライセンスが作成されるか、または、エンドユーザーがプレミアム版のチケットを購入した場合には、プレミアムライセンスがリリースされます。オンライン登録の場合、すべての処理が、バックグラウンドで行われます。また、オフライン登録も簡単です。従来、オフラインでの登録は、非常に複雑であり、エンドユーザーは大抵、ソフトウェアの物理的なセットを個別に扱わなければなりませんでした。しかし、Wibu-Systemsのソリューションであれば、この作業はすべて合理化され、追加されるステップは1つのみです。エンドユーザーは通常通り登録を行います。一方、ソフトウェアは、通常オンラインで送信されるデータを含んだxmlファイルを自動で作成します。そして、エンドユーザーは、WebDepotを使用することで、このファイルをネットに接続されているPCまで運び、登録ファイルをアップロードするだけで、ライセンスを受け取ることができます。通信プロセスは、暗号化されたファイルがシステム間を移動するよう、最初から安全に設計されているため、セキュリティ上の理由からオフラインを選ぶエンドユーザーにとっても安心です。
Wibu-Systemsは汎用性を得意としており、実績あるCodeMeter License Centralをベースにしつつ、ISVがもつ既存の技術やコーポレートデザインに合わせて、ソフトウェア登録システムをカスタマイズすることが可能です。ISVは、現場でソフトウェアを完全に管理し、ビジネスをさらに発展させる貴重な顧客データにフルアクセスすることができます。またCodeMeterは、代表的なERPであるSAPとも連携可能です。エンドユーザーがライセンスを取得するうえで必要となるチケットは、SAP内部から直接配布することも可能であり、ソフトウェアのプレミアム版を販売するために用意された既存のSAPバックオフィスシステムをそのまま使うこともできます。また、エンドユーザーの目の前には、ベンダーのコーポレートデザインに沿ったシンプルな登録画面が表示されるだけであり、その裏を支えるライセンシングソリューションの存在を感じさせない作りになっています。 ー このソリューションは、「スムーズ」「シームレス」「控えめ」という言葉が似合います。