カテゴリ: ライセンシング
License Portalかゲートウェイか・・・どちらを選ぶ?
License Portal(ライセンスポータル)は、ユーザーが購入したライセンスをユーザー自身で管理することができます。これにより、高額なサポートサービスがほぼ不要となります。ライセンスに関する疑問や問題が発生した際には、ユーザー側ですぐ解決でき、販売会社側は、より良いサービスをより少ないコストで提供することが可能です。
CodeMeter License Centralは、すぐに使えるオプション(例:WebDepot、カスタマイズ可能なUserPortal)から、完全にカスタマイズされたソリューション(MyPortal)に至るまで、さまざまな種類のLicense Portalを提供します。また、選択したLicense Portalにソフトウェア内から直接アクセスすることも可能です。ポータルは、ソフトウェアアクティベーションウィザード形式で製品にシームレスに統合されたフロントエンドで、ビジネスロジックを実装するサーバー上のゲートウェイとなります。
機能紹介
ログイン
ライセンスを移行するため、ユーザーはポータルにチケットまたは通常のユーザーアカウントのいずれかでログインする必要があります。
ライセンスの表示
ユーザーが所有するすべてのライセンスとその保管場所のリストにアクセスします。
ライセンスの配布
License Portalの本来の目的は、ライセンス配布を管理し、その過程でライセンスをアクティベート/ディアクティベートすることです。アクティベートするには、ライセンスをLicense PortalからCmContainerのどれかへ移動します。一方、ディアクティベートするには、ライセンスをLicense Portalに返却するだけです。その後、新しいCmContainerに再移動させることがで、ライセンスの転送が可能となります。ライセンシングされたソフトウェアの開発者として、ライセンスのディアクティベーションや移動を許可するか選択することができます。
選択したブラウザが、ローカルのCodeMeter Runtimeとの通信をサポートしていれば、すべてのプロセスをオンラインで直接で行うことが可能です。サポートされていない場合、またはユーザーがライセンスを別のデバイスへ移動させたい場合には、ファイル転送によるアクティベーションを行う必要があります(オフラインモード)。このプロセスでは、ソフトウェアアクティベーションウィザードとLicense Portal間の相互作用が鍵となります。
ライセンスの復元
特にCmActLicenseの場合、使用していたコンピュータが、ライセンスの有効期間中に何らかの形で「故障」または「再構築」されることは珍しくありません。自動復元機能により、ユーザーはこれらのライセンスを再アクティベートすることができますが、1台のコンピュータまたは変更されたデバイスに対して、どのくらいの頻度でこれを実行できるようにするか開発者側で決めることができます。この制限は、オプションを使えば、1つの期間に何回のインスタンスを実行できるかを定義することも可能です。
ライセンス紛失時に、そのライセンスを保持していた古いCmContainerは、自動的にブラックリストへ登録されます。このブラックリストを定期的にチェックすることで、これらのCmContainerを特定、必要であればブロックし、問題のライセンスを無効にすることができます。自動更新によってこのオペレーションを必須とすることも可能です。
自動更新
自動更新は、作成時に特定のCmContainerに割り当てられたライセンスです。これを取得する方法は2つあります。
まず1つ目の方法です。License Portalには、自動更新機能がついています。ユーザーがCmContainerを選択すると、そのコンテナで利用可能なライセンスがすべて表示されます。マウスのワンクリックでこれらのライセンスを取得することができます。
2つ目の方法としては、自動更新はすべて、他の通常のライセンストランザクション中にバックグラウンドで実行されます。ユーザーには、1つのプロセスで、自動更新とユーザーが実際に要求したトランザクションが同時に行われているように見えます。また、自動更新には優先順位が与えられ、これは、個々のライセンスが何らかの形で互いに依存している場合に重要な意味をもちます。
CmContainerタイプの選択
ソフトウェア開発者として、ユーザーがライセンスをCmDongleとCmActLicenseのどちらに移動できるかを決めることができます。両方のオプションを許可した場合、ユーザーは2つのCmContainerタイプから選ぶことが可能です。
組み込みデバイスメーカーであれば、これらのデバイスに特化した他のCmContainerタイプを定義し、それに応じて利用可能な選択肢を調整することができます。
ローカライズとコーポレートデザイン
License Portalは、ユーザーとのインターフェイスの一部であり、コーポレートデザインに合わせたカスタマイズ、サポートしたい言語の使用が可能です。このデザインは強力なスタイルシートで調整でき、すべてのテキストは個別のリソースファイルに保存されているため、必要に応じて文面を変更したり、テキスト全体を翻訳することもできます。現在、WebDepotには標準で10言語が用意されています。
ライセンス/ユニットの分割
ユーザーが10ライセンスのパッケージを購入し、それを分割して異なる CmContainerに配布したいと仮定します。この機能は、ユーザーがネットワークライセンスを、必要な数のパッケージ/ユニットに分割し、現場で使用できるようにします。
このように、ユーザーに追加で柔軟性を与えたい場合はこの機能を許可、選択した価格ポリシーと一致しない場合にはこれをブロックすることができます。
ユーザー登録
ユーザーポータルの特別なアドオンモジュールを使用すると、ユーザは自身で登録可能となり、顧客とユーザ双方にメリットがあります。登録されたユーザーは、例えば、アカウントにチケットやライセンスを割り当てることができます。登録後、ユーザーは、チケットの代わりに通常のログインデータのみでライセンス管理が可能となります。これにより、特に複数のチケットを扱っているユーザーにとって、プロセスがシンプルになります。
登録プロセスでは、ソフトウェアを使用するユーザーに関する詳細な情報を得ることができます。ソフトウェア(基本無料)のプレミアムバージョンやアドオン機能を販売するビジネスモデルの場合、これは特に興味深いことです。たとえ他の販売チャネルで販売され、ユーザーと直接の接点がない場合でも、オプションの登録はユーザーについて知ることのできる素晴らしい方法となります。
ライセンスの割り当て
ユーザーポータルでは、ライセンス管理者とライセンスユーザー、2つのタイプのユーザーを認識しています。ライセンス管理者は、別のエンドユーザーへのライセンスの割り当て/削除(必要に応じて)を行い、特に商用クライアントを対象としています。クライアントが所有するすべてのライセンスを見ることができ、現在誰が使用しているか正確に把握することができます。一方、ライセンスユーザーは、特別に与えられたライセンスにのみアクセスできます。
トライアルライセンス
License Portalのもう一つのオプション機能は、トライアルライセンスの作成/配布です。これにより、ユーザーは24時間いつでもライセンスにアクセスでき、許可された範囲内でライセンスの作成/アクティベーションを行うことができます。この機能は、MyPortalで顧客のニーズに合わせたカスタマイズが可能です。
利用可能バージョン
すぐ使えるソリューション
WebDepotは、スタイルシートの微調整や画像の交換により、コーポレートデザインに合わせて調整できる完全なターンキーソリューションを提供します。また、すべての基本機能(例:ライセンスの転送/復元/自動更新/分割、CmContainerの選択、追加のローカライズ)の対応可能です。
ユーザー認証はチケットで行います。
License Portalのカスタマイズ
ユーザーポータルは、追加モジュールを含むWebDepotの拡張版です。これを有効化することで、機能(例:ユーザー登録、割り当てライセンス)の追加が可能となります。
ユーザー認証方法は、チケット、ユーザーアカウント、またはその両方から選択できます。
カスタムポータル
ユーザーポータルやWebDepotをフルカスタマイズして、機能をさらに追加することが可能です。トライアルライセンスの作成機能など、顧客のニーズに合わせたMyPortalを作成することができます。
さらに、モジュールの追加、ビジネスロジックのカスタマイズ、または既存のスタイルシートの調整を超えたデザイン変更を行うことも可能です。ユーザーポータルとWebDepotには、ビジネスロジックや外観をカスタマイズする、特別なインターフェイスが用意されていますが、重要な部分を維持しつつ、異なるバージョンによる不具合を避けた更新が可能です。
EduPortal(エデュポータル:教育機関向けポータル)
EduPortalは、License Portalの専門バージョンです。ユーザーポータルをベースとし、高等教育機関のニーズに合わせてプロセスを調整します。ソフトウェア開発者は、大学に多数のライセンスを提供し、EduPortalは教職員と学生を区別します。教職員は学生に配布するライセンスを受け取ります。学期が終了すると、ライセンスは自動的に無効となり、また次のクラスに再び配布することができます。学生は、特定のメールアドレス(教職員と同じドメイン)に限定するオプションルールを使って登録することもできますが、必須ではありません。
教職員の認証は手動で行うことができます。
ソフトウェアアクティベーションウィザード向けゲートウェイ
通常、独自のユーザーインターフェイス(UI)をもたないLicense Portalです。WebDepotと同じソースコードで動き、機能も同じですが、UIはローカルアプリケーションごとに異なります。このローカルな実装が最大の特徴であり、C#、Java、およびC/C++のソースコードで利用可能です。
オフラインで動作可能であることは、ゲートウェイとLicense Portalの大きな利点の1つです。例えば、ゲートウェイにオンラインで接続できない場合、ソフトウェアアクティベーションウィザードは要求ファイルを作成します。そして、ユーザーは、このファイルをWebDepotに渡すことで、ソフトウェアアクティベーションウィザードに必要な更新を受け取ることができます。
また、EduPortalとソフトウェアアクティベーションウィザードの組み合わせも一般的です。教職員がEduPortalで利用可能なライセンスの管理し、学生がソフトウェアアクティベーションウィザードを使用します。
ビジネスロジック
この機能は、License Portalやソフトウェアアクティベーションウィザードのカスタマイズに限りません。ライセンス配布を行うビジネスロジック全体を、顧客のニーズに合わせてカスタマイズ可能です。
チケットをパッケージ代わりに利用
典型的な要件の1つは、複数のライセンスを一つのパッケージとしてバンドルすることです。CodeMeter License Centralののモジュール機能を使うこともできますが、チケットをパッケージ代わりに利用することもできます。この場合、チケットからのすべてのライセンスは、常に1つの同じCmContainerでアクティベートされます。そのチケットに後から追加されたライセンスも、そのCmContainerでのみ使用可能です。ライセンスがアクティベート/ディアクティベートされるたび、システムはチケット上のすべてのライセンスをまとめて取得します。
チケットの整理
例えば、保守契約を結んでいる顧客に、大量の更新を配布している場合、チケットに登録されるライセンス数は年々増加していきます。キーアカウントや、多くの機能のライセンスを所有するユーザーの場合、シングルチケットに含まれるライセンス数はすぐに100を超えます。
License Portalやゲートウェイでは、使用していないライセンスを削除することで、チケットの整理が可能となります。これにより、ユーザーにとってのイメージが明確化し、ライセンス配布時のパフォーマンスが向上します。
アクティベーション時のデータ入力
CodeMeter License Centralは、オーダー作成時、またはアクティベーション時に、ライセンスの要件定義が可能な、可変の設定項目を有しています。例えば、ユーザがアクティベーションした時点でチケットIDをライセンス内のユーザ情報領域(COLI)に自動入力することができます。
ネイムドユーザーライセンスのユーザー名の登録にも、同じシステムが使われています。この名前の変更可能な範囲/頻度を決定するルールの追加も可能です。
制約条件のカスタマイズ
CodeMeter License Centralでは、特別な制約条件で製品の関連性を定義することができます。複数のライセンスが同時にアクティベートされた際には、ライセンスが作成された順にチェックされます。場合によっては、別々にチェックする、定義された制約を飛び越える必要があります。チェックする制約条件を独自に定義し、失敗した場合のカスタムエラーメッセージを詳細に設定することができます。
| WebDepot | ユーザーポータル/ | MyPortal | ソフトウェア アクティベーションウィザード/ ゲートウェイ |
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テクノロジー | サーバー: PHP | サーバー: PHP | サーバー: | サーバー: PHP クライアント: C#, C++, Objective-C, Java, … |
ログイン | チケット | チケット ユーザー/パスワード | チケット、 ユーザー/パスワード、 サードパーティシステムの統合 | チケット |
ライセンスの表示 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
ライセンスの配布 | オンライン/オフライン | オンライン/オフライン | オンライン/オフライン | オンライン/オフライン |
ライセンスの復元 | CmContainer/ライセンスごと | CmContainer/ライセンスごと | CmContainer/ライセンスごと | CmContainer/ライセンスごと |
自動更新 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
CmContainerタイプの選択 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
ローカライズとコーポレートデザイン | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
ライセンス/ユニットの分割 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
ユーザー登録 |
| 〇 | 〇 | オプション |
ユーザー/学生へのライセンスの割り当て |
| 〇 | 〇 |
|
トライアルライセンスの作成 |
|
| 〇 |
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チケットの保存 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
チケットの整理 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
アクティベーション時のデータ入力 | チケット | チケット | チケット、任意データ | チケット、任意データ(オプション) |
制約条件のカスタマイズ |
|
| 〇 | オプション |
KEYnote 35 – Edition Spring 2018