オートメーション分野における5+1のトレンド
2024-04-17 Terry Gaul
Association for Advancing Automation(A3)は、オートメーションの普及を推し進めるグローバルリーダーであり、北米最大のオートメーション業界団体です。A3は、このほど、産業オートメーショントレンドのトップ5(2024)を発表しました。5月6~9日にシカゴで開催されるAutomate Showにて、これらの技術革新が紹介される予定です。本ブログでは、これらの技術を簡単に説明するとともに、私が注目しているトレンドも1つ取り上げたいと思います。
- デジタルツイン: メーカーは、デジタルツインを利用し、オートメーションシステムが、製造現場の他の機器とどのように相互作用するか、事前の確認が可能です。また、サプライチェーンを仮想的に再現し、変更が必要であるかも確認することができます。
- 3Dプリント: アディティブマニュファクチャリング(AM)技術が大幅に向上し、コスト削減と生産スピードが大きく改善しました。2023年には、様々な分野で活用され、この傾向は今後も続くとの見込みです。
- 生成AI:さまざまな業界の企業(例:ヘルスケア、自動車)が、AIへの投資を拡大し、オートメーション分野での新たな活用範囲を模索しています。生成AIによる、新たな製造ソリューションの提案や、製品開発の迅速化が期待されます。
- マシンビジョン:: マシンビジョンの技術革新は、協働ロボット(コボット)から、歩行者を認識する自動運転車に至るまで、あらゆる分野への適用が可能です。同様に、製造現場での進化にも期待が集まっています。
- ヒューマノイドロボット:: 現時点では、普及に至っていませんが、2023年に複数のスタートアップ企業が、先進的かつ低価格のヒューマノイドロボットを発表しました。現在は、倉庫での作業が主な用途となっていますが、今後、新たな応用分野でその価値が認められていくと推測されます。
このように、革新的なソリューションが次々と登場し、その価格も徐々に手頃なものへと変化していることから、オートメーションの将来性も、明るく、期待に満ちていると言って間違いないでしょう。このオートメーション分野に、Wibu-Systemsも深く関わるようになるにつれ、見えてきたことがあります。それは、これらすべてのイノベーションを可能にする鍵は「ソフトウェア」であるということです。そこで私は新たに、1つのトレンドを追加したいと思います。
- ソフトウェアの保護およびライセンシング:今まさに、製造業で起きている大規模なデジタルトランスフォーメーション(DX)に伴い、サイバー攻撃の脅威が急速に拡大し、サイバーセキュリティへの備えの重要性が増しています。近年のオートメーションシステムは、データの収集・共有、次のアクションへとつなげる意思決定、個別のプロセス制御、これらを行うようプログラムされているものがほとんどです。さらに、マシンビジョン、ロボット、予知保全への、人工知能(AI)と機械学習(ML)の統合により、機密データの安全性が脅かされ、産業プロセスのリスクが高まっています。例えば、AMプロセスでは、3Dプリント技術の可能性を最大限に活用すべく、さまざまなAIやMLベースのアルゴリズムの組込みが始まっています。こうしたMLプロセスから生まれる学習済みモデルは、メーカーの知的財産(IP)とであり、不注意による改ざんや、悪意ある攻撃から保護する必要があります。また、オリジナルのIPを悪用し、同様のシステムを違法コピーしようとする者や、システムを不正操作しようとする妨害者にも注意しなければなりません。こうしたデータやシステムのセキュリティだけでなく、ソフトウェアの収益化を通じて利益の拡大が期待できる、斬新なソフトウェアライセンシング戦略を、企業は模索しています。
ここからは実際に、ソフトウェア制御の自動化ソリューションの保護および収益化に、Wibu-SystemsのCodeMeterが提供するライセンシングと保護技術を採用したユースケースをいくつかご覧ください。
自動車業界における産業用3DプリンティングのパイオニアであるDaimler Busesは、スペア部品の3Dプリントデータを提供するOMNIplusに、CodeMeterの保護とライセンシング技術を組込み、重要なデータの暗号化と、利用に必要なライセンスのセキュアな作成・配布に不可欠な技術基盤の提供に成功しています。
ロボットによる自動化のワークフローを標準化するソフトウェアの開発と販売を専門に行うArtiminds Roboticsは、CodeMeterがもつ多面的なセキュリティ機能を駆使し、あらゆる脅威からユーザーの生産ノウハウを保護しつつ、自社のIPとライセンシング能力を守ることに成功しました。
マシンや工場の自動化に向けたソリューションを提供するグローバルエンジニアリング企業、B&R Industrial Automationは、自社のTechnology GuardingにCodeMeterを統合させることで、IP保護と、必要な機能のみ購入できる柔軟性の高いビジネスモデルの実現に成功しました。また、特定のライセンスが検出された場合にのみ有効になる追加機能を提供することで、アフターセールスでの収益確保にもつながっています。
マシンビジョン用の標準ソフトウェアを製造する大手メーカーであるMVTecは、柔軟なライセンシングと保護機能を用いて、アーキテクチャー・オペレーティングシステム(OS)・産業環境、これらすべてを1つのシステムでサポートするためにCodeMeterを導入しました。MVTec Softwareにとって、これは、マシンビジョンソフトウェアで想定される多くのアプリケーションとユースケースに最適なライセンシングシステムであり、ライセンシングと収益化に伴うオペレーションを全て1つのクラウド環境のシステムで管理できるという意味で、効率性と簡便性に優れたソリューションでした。
オートメーションソリューションのソフトウェアライセンシングと保護については、以下の展示会でも実際に体感いただけます。
- ハノーバーメッセ 2024(4月22~26日、ドイツ・ハノーバー、ホール16・ブース#D16):CEO兼創業者であるオリバー・ウィンジェンリート自らが案内するガイドツアーを開催します。また、Endress+Hauser、MVTec Software、Phoenix Contact、ETM(Siemensの子会社)など、業界をリードする企業との対話を通じ、CodeMeterの魅力を知ることもできます。
- Automate Show2024(5月6~9日、アメリカイリノイ州・シカゴ、ブース#2185):ロボット、マシンビジョン・画像処理、モーター・モーションコントローラー、AI・ML、ソフトウェア制御のインテリジェントマシンアプリケーション向けの、CodeMeterが提供するソフトウェアライセンシングと保護ソリューションを紹介します。
関連情報
- ユーザー事例:Daimler Buses/Farsoon Technologies – 自動車産業におけるスペア部品の3Dプリント用データの保護と収益化
- ユーザー事例:ArtiMinds – ロボットプログラミングソフトウェアにAxProtectorとCmDongleを活用
- ユーザー事例:B&R - B&Rのビジネスモデルとユーザー体験にCodeMeterが必要不可欠に
- ユーザー事例:MVTec Software – 完璧さを追求するビジョン:MVTecの最高水準技術に対する最先端のCodeMeter保護
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