サブスクリプションライセンシングモデルへの移行
2023-09-06 Stefan Bamberg
ソフトウェアライセンシングにおけるサブスクリプションモデルは、eコマースからエンタープライズアプリケーション(EA)、ニッチな業種に特化したソフトウェアソリューションに至るまで、多くのビジネス分野で浸透しつつあります。IDC(International Data Corporation)が発表した「Worldwide Software Business Model (Subscription and License) Forecast 2022-2026」の中で、同社のリサーチディレクターであるMark Thomason氏は、次のように述べています。「ソフトウェア企業が、サブスクリプションモデルを採用する傾向は、2021年から2026年にかけての年平均成長率が17.9%と急成長を遂げ、2026年にはソフトウェア総売上の87.4%を占めると予測されています。」これは、サブスクリプションが、将来性のあるモデルだということを示唆しています。
サブスクリプションモデルを採用するオンラインストアは、増えています。不正検知サービスを提供する、イギリスのRavelinが実施した2021年の調査によると、2023年までに全オンラインストアの75%が、サブスクリプションサービスを提供すると予測されています。またそれに伴い、意図的か否かに関わらず、関連した不正行為も増えるおそれがあり、オンラインストアの利益を守るためにも、何らかの対策を講じる必要があります。Ravelinの「Subscription Merchant Report 2022」は、そのような詐欺に詳しい1700人への調査に基づき、エンターテインメント/ストリーミングサービス、商品の配送、その他サービス産業で発生した不正行為の一部を紹介しています。これらはすべて、月額/年額制の支払いモデルを採用しているケースです。
同報告書では、サブスクリプションサービスにおいて、特に注意すべきリスクが挙げられています。
- オンライン決済の不正使用(例:盗難クレジットカードによる決済)
- アカウントの乗っ取り(例:優良顧客アカウントの盗難)
- フレンドリー詐欺(例:「購入した覚えがない」「お試し期間後のキャンセルを忘れた」などを理由とした、料金の不払い)
- 返金・プロモーションの不正使用(例:商品を受領しながらも不達を申告し、返金や不払いを主張)
これらは、サブスクリプションビジネスにおける不正行為のほんの一部に過ぎません。監視・予防策を講じない限り、多くの収益と利益が失われることになります。また、オンラインストアは、サブスクリプションサービスをいち早く取り入れた企業形態であり、新規参入を検討する企業にとって、潜在的なリスクを把握する手助けとなっています。
例えば、多くのISV(独立系ソフトウェアベンダー)は現在、永久ライセンスモデルから、より現代的な使用ベースモデル(従量課金)やサブスクリプションモデルへ移行しています。前述したオンラインストアと同様に、エンタープライズソフトウェアアプリケーションを販売するISVもまた、サブスクリプションビジネスという未知の領域に足を踏み入れることで、同様のリスクに直面することが予想されます。
サブスクリプションモデルには様々な形態・サイズがあり、ベンダーとユーザーとの関係では、多種多様な技術的形式をとることができます。また、ライセンスモデルも多岐にわたり(例:一時的なライセンス、無制限のライセンス、譲渡されたライセンス、キャンセルされたライセンス、紛失したライセンス)、それらの管理について考えると、プロセスが非常に複雑であるように思えるかもしれません。更新メカニズムや有効期限のルールも多岐にわたり、リマインダーの送信・管理をする必要があります。さらに、ユーザーを混乱させることなく、ライセンシングプロセス全体を、既存のERPやバックオフィスのプロセスとシームレスに統合しなければなりません。
では、サブスクリプションモデルへの移行を容易にするために、ISVができることは何でしょうか。
- ID・アクセス管理:様々な機能(例:アクセスレビュー、多要素認証、アクセスの迅速なプロビジョニング/取消)を含めた、ユーザーID・アクセスポリシーの明確な定義と管理
- 使いやすさ:サブスクリプションプロセスを始めとする、ライセンス機能(例:自動更新、キャンセル、ライセンス移行)における理解・管理の容易さ
- バックオフィスの自動化:ライセンス(またはエンタイトルメント)の透過的かつ効果的な配布・管理。既存のバックオフィスシステムへのシームレスな統合を自動化。
- コード保護:データ漏洩やサイバーセキュリティリスクへの懸念を払拭すべく、最新の暗号化メソッドによるコード保護を実施し、不正コピーやリバースエンジニアリング、改ざんを防止。
ソフトウェアサブスクリプションモデルにとって、柔軟なライセンシングプラットフォームは、ユーザー、ISVの双方に恩恵をもたらすことでしょう。Wibu-Systemsは、CodeMeter License Centralを使用した、サブスクリプションモデルへの移行をサポートしてきました。CodeMeter License Centralは、ソフトウェアライセンスの作成・配布・管理のプロセスを自動化する、データベース駆動型のライセンス/エンタイトルメント管理ソリューションです。さらに、新しく登場したCodeMeter License Portalは、OEMパートナーとユーザーにセルフサービスプラットフォームを提供し、容易なライセンスの管理・処理を実現します。これにより、ISV側のコスト削減、現場におけるライセンス管理の柔軟性向上が期待できます。
詳しくは、過去のウェビナー動画「Subscriptions: Relationships Built to Last」をご覧ください。本ウェビナーでは、サブスクリプションモデルの概要を説明した上で、CodeMeter License Centralを用いた、サブスクリプションモデルの設定・実装方法をご紹介しています。
関連情報
- CodeMeter License Central:ライセンスの作成・管理システム
- ウェビナー(録画):はじめてのライセンスモデル:サブスクだけじゃないソフトウェアビジネス
- Keynote 41:『サブスクリプション:CODEMETERのお作法』
- Keynote 42:『サブスクリプションの設定(30/90/360日)』
- Keynote 43:『ソフトウェアサブスクリプションの多くの利点と少ない欠点』
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