フィーチャーオンデマンド:必要なオプションをソフトウェアへ追加
2022-06-28 Terry Gaul
ここ数年、米国のとある大手保険会社では、必要な分だけ支払うというのが重要なセールスポイントとされ、差別化要因となっています。消費者は、本当に必要な補償だけをきめ細かくカスタマイズできるため、追加の補償にお金を支払う必要がなく、経済的なメリットがあります。また、他の保険会社では、必ずしも必要でない保険料も消費者に負担させているため、競合他社との差別化が図られていると推測することができます。
今日、一部のISV(独立系ソフトウェアベンダー)や組込みシステムエンジニアは、ソフトウェアの収益化において、同様のビジネスモデルを導入しています。ソフトウェア製品は、顧客ニーズの高まりや市場の課題に対応するため、開発の過程で最新のテクノロジーを追加することで、機能が増加する傾向にあります。これは、製品開発やビジネスの流れとして自然なことです。しかし、必ずしもすべてのエンドユーザーがすべての新機能を必要とするわけではありませんが、ソフトウェアの価格設定には通常、すべての機能拡張が反映されてしまいます。これにより、ソフトウェアユーザーと開発者の双方にジレンマが生じます。エンドユーザーは利用しない機能にお金を支払いたくない一方、開発者は自分の作品を無料で提供したいとは思いません。
このジレンマを解決するのが、フィーチャーオンデマンドライセンスです。エンドユーザーは、購入時に必要な機能にのみ初期費用を支払います。その後、追加のソフトウェア機能は、シンプルなソフトウェアキーのアクティベーションによって有効にすることができます。追加機能はすでにデバイスに存在し、ロックを解除するだけでよいため、ハードウェアの変更は一切不要です。
開発者にとっては、フィーチャーオンデマンドというビジネスモデルは、顧客が支払うべき初期費用を抑えることができるため、これまで高額な初期投資のためにソフトウェアの導入をためらっていた新規顧客の獲得に繋がります。さらに、ソフトウェアは必要に応じ、新機能とともに簡単にアップグレードすることができるため、開発者の労力も非常に少なく済みます。このアプローチについては、数年前のブログで、医療機器メーカーのお客様を例にとり、成功事例としてご紹介しているため、ご参照ください。
また先日、当社のCodeMeterのライセンシング、保護、およびセキュリティのプラットフォームを用いた、フィーチャーオンデマンドのソフトウェアライセンシングの実装について、ウェビナーを開催しました。見逃した場合でも、登録いただければいつでも録画視聴が可能です。
本ウェビナーでは、フィーチャーオンデマンド戦略を実現するための3つのポイント、1)ソフトウェア開発、2)ライセンス作成、3)ビジネスモデルについて説明しました。
- ソフトウェアの開発:ソフトウェアを個々の機能ごとにライセンスを付与し販売するために、開発者はすべきことは何か?各機能は個別のコンポーネント(.dll)に配置する必要があるのか、それとも1つの実行可能ファイルにまとめることは可能なのか?配置場所により、ソフトウェア保護とライセンシングの統合にどのような影響があるのか?ソフトウェアの基本機能のみが含まれたフリープランは必要か?
- ライセンスの作成:各機能に対してライセンスはどのようにモデル化されるべきか、そして、どのようにユーザーへ配布されるのか?ゲームでは、ユーザーがボタンを押すだけで、アプリ内課金を行うことができます。この統合方法とは?
- ビジネスモデル:フィーチャーオンデマンドのビジネスモデルには、どのようなメリットとデメリットがあるか?既存の製品ポートフォリオにどのような影響を与えるか?フィーチャーオンデマンドモデルをサブスクリプションサービスと組み合わせることは可能か、そしてそれは、リスクを伴うことなのか?
是非録画版ウェビナーに登録し、当社のライセンシングとセキュリティの専門家による、フィーチャーオンデマンドのライセンスモデルを実装する際のベストプラクティスについてお聞きください。
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