産業用制御システム(ICS)や医療分野での認証済みソフトウェアの更新
2022-04-26 Stefan Bamberg
産業用制御システム(ICS)は、自動化された産業プロセスの動作を管理、指示、および調節するために使用されます。エネルギーや政府機関から重要な製造業や輸送システムに至るまで、ほとんどすべての産業部門にICSは存在しています。ICSは、センサー、バルブ、ポンプ、各種モーターなど無数の機器を網羅的に制御し、これらの外部機器からデータの収集、レポートの作成、アラームの作動、そして他の機器やユーザー、またはプロセスへの警告(通知)を行います。
ソフトウェアがICSの中核を担い、これにより、その機器で必要な機能やアプリケーションを実行できます。またソフトウェアは、必要に応じたライセンスの取得、オンオフ切替可能な多くの運用機能の提供も可能であり、競合他社との差別化にも繋がります。このようなプロプライエタリソフトウェアは、盗難(不正コピー)、リバースエンジニアリング、偽造からだけでなく、機器の損傷や人命の危険をもたらす可能性がある悪意ある改ざん、不正操作、妨害行為からも守る必要があります。さらに、クリエイティブなソフトウェアライセンス戦略は、製造コストの削減、生産者による最小限の労力での新しいビジネスモデルの立ち上げ、ポートフォリオの拡大を可能にします。Wibu-Systemsの CodeMeterテクノロジーにより、ICSにおけるソフトウェアの保護とライセンシングがどのように実現されるかに関する詳細は、ホワイトペーパー「オートメーション産業とCodeMeter」をご覧ください。
クラウド上のICSテクノロジーの進歩により、データ通信とそれに続くプロセス性能の分析のスピードの大幅な向上、産業用システム構成の管理の効率化、診断やトラブルシューティングの改善、そして拡張性の向上がもたらされました。これらの利点は、医療機器産業においても顕著にみられ、ICSは、現代のコネクテッドヘルスケア機器において重要なコンポーネントになっています。コネクテッドヘルスケアは、遠隔での患者モニタリングツール、ウェアラブル技術、テレヘルス、その他のデジタルツールによって医療産業を変貌させました。患者と医療従事者の双方にとって、より正確な診断、ミスの減少、医療コストの削減などのメリットがあります。
しかし同時に、産業界ではIoT関連のセキュリティインシデントのリスクも高まっています。MedigateとCrowdStrikeが最近発表したホワイトペーパーによると、医療機関の80%以上が過去18ヶ月間にIoTセキュリティインシデントに直面していたことが判明しました。
また、Clarotyによる最近のレポートでは、ヘルスケアIoT、IT、医療機器の脆弱性の開示が近年増加しており、ICSにおけるセキュリティ強化が求められています。また、ICSの脆弱性開示が過去4年間で110%増加し、2021年後半だけで25%増加していることも明らかになっています。これらは注目に値する統計であり、Wibu-Systemsが、CodeMeterの保護およびライセンシングの技術を医療機器分野に導入し、Dentsply-Sirona、Agfa Healthcare、Fritz Stefanなどの顧客と連携している最大の理由の1つでもあります。
特に、医療機器のソフトウェア更新の整合性と信頼性の追跡および確認を行うCodeMeterの機能は、注目されています。ソフトウェアの更新は、医療産業において非常に重要な問題です。これは、メーカーが、ソフトウェアのバグ発生後、即座に対応できるよう準備し、患者に悪影響を及ぼす可能性を排除する必要があるためです。必要となる更新は、更新と対象ソフトウェア両方の整合性と信頼性を保護および検証できる方法によって、展開されなければなりません。メーカーは、診断機器やその他の医療機器が、認証およびリリースされたソフトウェアと更新のみで動作していることを確認する方法を求めています。
Wibu-SystemsのCodeMeterテクノロジーにより、開発者は、ソフトウェアの保護およびライセンシング、その整合性と信頼性の確認、さらには現場でのソフトウェア更新の追跡が可能です。またベンダーは、CodeMeterで保護されたすべての更新が、完全かつ正しい順序でインストールされているか確認することができます。内部カウンターは、ダウンロードされた更新が一度のみ、それが意図されたソフトウェアで使用され、他の未承認のユーザーと共有されないことを保証します。
万が一、エンドユーザーが重要な更新を見逃してしまった場合でも、CodeMeterテクノロジーにより、実際に使用されているバージョン(最新の必須バージョン、またはできるだけ早く交換されるべき古いバージョン、不具合の可能性のあるバージョン)を特定することができます。さらに、使用されているソフトウェアがその市場や地域で認証されているかも確認することができます。
Wibu-Systemsは、2022年5月3~5日にドイツ・シュトゥットガルトで開催されるMedtecLive with T4Mで、ホール10・ブース124aのVDMA展示において、この重要な機能のデモンストレーションを行います。
関連情報
- Keynote 36:『プッシュ更新で、ライセンス配布が容易に』
- ユーザー事例:Dentsply Sirona - AD/CAM歯科用ソリューションをCmStickで保護
- ユーザー事例:Agfa HealthCare - 時間ベースのライセンスをメディカルサイエンスで適用
- ユーザー事例:Fritz Stephan - 医療業界向けのビジネスモデル:必要な時に必要な機能を追加
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