あらゆる規模の企業を狙う製品およびブランドの違法コピー
2022-08-24 Oliver Winzenried
ドイツのマシン・プラントエンジニアリング業界の企業の72%が、製品またはブランドの違法コピーの影響を受けていると回答し、その被害額は年間64億ユーロに上ると推定されています。これは、VDMA(ドイツ機械工業連盟)が2022年に行った製品の違法コピーに関する調査から得られた重要な知見の1つです。3,400社以上の会員を擁するVDMAは、ドイツおよびヨーロッパにおけるマシンエンジニアリング産業の最大のネットワーク組織であり、その代弁者でもあります。
VDMAは2年に1度、会員企業の製品およびブランドの違法コピーに関する調査を行っています。2022年2月~3月に実施された本調査には、68社が参加しました。この調査は、製品の不正な複製のみを対象としており、以下のように定義されています。
- 特別な所有権(例:保護されたブランドや特許)に違反する製品の模倣、または
- 所有権の侵害はないが、一般的な競争慣行に反する製品の模倣
単純な模倣に、別の不正な行為が伴う場合、その製品は、オリジナル製品のメーカーを意図的に隠蔽(混同の可能性を高める)、またはオリジナルブランドの良い評判から不正に利益を獲得しているとみなされ、認められた競争慣習に反する複製と判断されます。
2022年の調査では、違法コピーによる年間被害額は減少しているものの、多くの模倣品が依然としてマシンや工場のオペレーターに脅威を与えていることが明らかになりました。VDMAは以下のように述べています。「マシン・プラントエンジニアリングにおける違法コピーやノウハウ喪失の危険性は、非常に多岐にわたります。特にデジタルトランスフォーメーション(DX)は、製品開発、マシン・工場の運用において、データと情報の保護に新たな課題を突きつけています。同時に、デジタルサービスや保護対策は、付加価値で盗用者と差別化し、単純なコピーを困難にする良い方法です。」
その他の主な調査結果は以下の通りです。
- 中国(87%)が引き続き模倣品の出所においてトップであり、次いでインド(26%)、ドイツ(19%)と続いている。
- 盗用者は、直接の競合他社が最も多く(70%)、次いでビジネスパートナー(エンドユーザー、サプライヤー、ライセンシー、ジョイントベンチャーパートナー)(41%)、大規模な偽造集団(30%)が続いています。
- 知的財産権の侵害は、不当なコピー(53%)、商標権侵害(47%)となっています。
- 盗用が最も多いのは、部品や外観(デザイン)、そしてウェブサイトやオンラインショップなどです。
- 41%の企業が、マシンのオペレーターやユエンドーザーに危険を及ぼす模倣品があると報告しており、半数以上が工場の安全なオペレーションに危険をもたらすと感じています。
- 違法コピーのターゲットとして最も多かったのは大企業(従業員数1,000人以上)でしたが、中小企業でも被害を受けています。
この調査では、盗用を発見し防止するために、企業がどのような対策を行っているか、また盗用者に対してどのような対応を取っているかについても掘り下げています。その対策は、裁判外訴訟(58%)、民事訴訟(35%)、税関による没収(19%)、刑事訴訟(15%)、その他となっています。
VDMAは引き続き、政府や社会の意識を高めるために情報発信を続ける一方で、法執行や被害を受けた企業間での情報交換の改善にも力を入れています。詳細については、2022年度版調査報告書をご覧ください。
製品の違法コピーの発生と被害の低減に向けた対策の新たな開発および実施には、終わりがありません。Wibu-Systems は、ますます複雑化する世界において、デジタル資産と知的財産の保護に引き続き注力していきます。ソフトウェアメーカー、インテリジェントデバイスメーカー、そしてそれらのユーザーである産業界のお客様にグローバルに使用されている当社のテクノロジーソリューションについては、こちらをご覧ください。
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