不正コピー防止対策として選ばれる「ドングル」その5つの理由とは?
2013-01-29 John Poulson
ドングルへの批判
2007年に『PC Magazine』に掲載されたドングルに関する記事の中で、著名で受賞歴もあるコラムニストのJohn C. Dvorak氏は「1980年代に登場したドングルは、不正コピーを防止するデバイスであるが、ほぼ失敗に終わり、論争の的にもなった。」と述べました。
Dvorak氏が言及した「論争」とは、(1) ソフトウェア開発会社が、その努力に見合う対価を得る権利、そして(2) ユーザーが、合法的に購入したソフトウェアを、ハードウェアのドングルを差し込むこと無く使用できる権利、これら2つを巡るものです。
ユーザーの期待に応えるようにして生まれたアクティベーションコード
ユーザーの懸念を払拭すべく、ソフトウェア開発者は、ライセンスとPCとを紐づけるアクティベーションコードを採用しました。MicrosoftやAdobeなどの企業が、ユーザーにライセンスのアクティベーションを要求するようになったことを皮切りに、50ドル程度のソフトウェアでは、この方法が主流となりました。このように、アクティベーションコードがPC全体を「ドングル」へと変えたのです。
21世紀のドングルの現状
今や、Dvorak氏のコメントからだいぶ月日が経過しました。しかし、それ以上に、DOS(ディスクオペレーティングシステム)向けの最初のCAD/CAMプログラムを保護しようと、PC上に初のパラレルポートドングルが登場してから25年以上経っているという事実には驚きを隠せません。
全世界でのドングルの売上は、1980年代後半から年々増加しています。メリットがあるからこそ、これほど長い歴史を歩んで来れたのだと考えることができます。そして、知的財産(IP)保護、ライセンシングによるソフトウェア管理、ソフトウェアの不正利用による損害の予防を責務とするソフトウェア開発者であれば、当然、ドングルに詰め込まれたソフトウェアの不正コピー防止技術について深く調査すべきです。
ドングルがエンドユーザーから愛され続ける理由
ドングルが登場して25年が経ちましたが、その一方で、多くの技術が、生まれては消えを繰り返してきました。ドングルはこれら技術とは異なり、未だ存在し続け、さらには機能やデザインの改良が絶えず行われていることには驚かされます。また、ドングルには、アクティベーションコードには無い機能がいくつかあります。ドングルを実際に使っているエンドユーザーへの調査から、アクティベーションコードよりもドングルが好まれる理由が判明しました。以下が、その上位5つです。
- ライセンスの可搬性:ライセンスはドングル上にあり、システム間での移動が容易。
- ライセンスのリカバリー:エンドユーザーは自分で、既存または交換用のドングルにライセンスを復元可能。
- ライセンスの貸出し:出張中のエンジニアや営業担当者などに対し、ライセンスの貸出しが可能。
- ライセンスの冗長性:特に、「ミッションクリティカル」なアプリケーション(例:ホット/コールドスタンバイライセンス)で重要な機能。
- ライセンスのセキュリティ:故意または過失の有無にかかわらず、従業員や第三によるソフトウェアの不正使用を防止。
アクティベーションコードでソフトウェアのアクティベーションを行う場合においても、ライセンスを復元する権利がエンドユーザーに与えられています。しかしその場合、ソフトウェア開発者と連絡を取り、合法的に購入したソフトウェアを新しいPCに移行させる必要があると自ら説明しなければなりません。特に、ハードドライブが故障したサーバー上にある複数のユーザーライセンスをアクティベーションコードで保護している場合には、時間がかかり、問題も生じやすくなります。
ドングルかアクティベーションコードか、それとも両方か
Wibu-Systemsが提供するCodeMeter License Platformでは、ドングルもアクティベーションコードも両方お使いいただけます。どちらの方法にもメリットとデメリットがあり、どちらを選ぶか(または両方選ぶか)は、個々のニーズに委ねられます。
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Contributor
John Poulson
Sr. Account Manager
2001年以来、Wibu-Systems USAでビジネス開発およびセールスを担当。ソフトウェアライセンシングとプロテクションソリューションに関する顧客とのコンサルティング以外でも、業界のトレードショーやカンファレンスに出席し、IT界の最新動向の把握に努める。Wibu-Systems以前は、ソフトウェアセキュリティのパイオニアであるMicro Security Systems社、Eagle Data社、Griffin Technologies社で勤務
長年にわたり、暗号に関する一般的な話題や、新しく革新的な方法による組込みシステムの収益化について、いくつかのブログを執筆。